天然石を知る人なら一度はその名を聞いたことがある「レムリアンシード」。
古代レムリア人の知恵が宿るといわれる伝説の水晶です。
レムリアンシードに触れながら瞑想すると、古代レムリア人の記憶や知恵にアクセスできると言われています。
また、レムリアンシードを手にするとツインレイに巡り合えるとか、レムリアンシードは持ち主を選ぶといった不思議な話も聞かれます。
しかし一方で、レムリアンシードにまつわる神秘的なエピソードには、嘘ではないかという懐疑的な意見があるのも事実です。
このブログでは、天然石業界でのレムリアンシードの扱いや科学的根拠も視点に入れながら、レムリアンシードは嘘なのか、検証したいと思います。
レムリアンシードは嘘と疑われる理由
レムリアンシードはレムリアンリッジと呼ばれる横方向の条線が入った端正な佇まいの水晶で、古代レムリア文明という神秘の歴史とのつながりをもつと言われています。
しかし、一方では古代のレムリアを起源とする説は嘘なのではないかと疑う声があるのも事実です。
以下に一つずつ検証していきますが、今のところ、レムリアンシードにまつわるエピソードを真実とする科学的証拠は乏しいようです。
また、レムリアンシードという名を商業的に利用する思惑から、レムリアンシードの定義が甘くなったために一部に混乱を招き、皮肉にも嘘っぽいイメージがついてしまった面もあります。
レムリアンシードと古代レムリア文明とのつながり
最初のレムリアンシードは、ブラジルミナスジェライス州のセラドカブラル山脈のオリジナル鉱山で発見されました。
白い砂の中で1本ずつ、横に並んだ状態で発見されたことから、誰かが意図的に埋めたのではないかと考えられました。
採掘場所に立ち会っクリスタルヒーラーのカトリーナ・ラファエルさんは、埋められた水晶の美しさと配置が古代のレムリア文明につながると解釈し、この水晶に「レムリアンシード」という名前を付けました。
伝説では、レムリアは数億年前に存在したとされる大陸で、そこには高度な文明を持つレムリア人が住み、愛と調和に満ちたスピリチュアルな力で世界が成り立っていました。
古代レムリア文明は大洪水によって滅びたとされ、滅亡の直前にレムリア人は、知恵の記憶をレムリアンシードに宿し、彼らのスピリチュアルなエネルギーは南米の地下に逃れたと伝えられています。
しかしながら、レムリア大陸はあくまで伝説として語り継がれているだけで、歴史的事実と照らし合わせることはできません。
レムリアンシードの特徴はいずこへ
レムリアンシードの最大の特徴は、表面に「レムリアンリッジ」と呼ばれるバーコード状の条線が刻まれていることです。
この条線にレムリア人の叡智や情報が記録されているとされています。
また、最初に発見されたセラドカブラル産のレムリアンシードは全体がほんのりピンク色のニュアンスをもち、柱面は一面おきにすりガラス状になっていたそうです。
ところが、セラドカブラル山脈の鉱山が水没して一度は採れなくなったと言われていたのが、その後、周辺のブラジル・バイーア州、ディアマンティーナ州、そしてコロンビアからも新たに採掘されはじめ、同じくレムリアンシードの名で流通するようになりました。
「聖地セラドカブラル山脈じゃなくても採れる?」
「周辺から採れたレムリアンシードは、なんだか雰囲気が違う」
といった声もあがり、なんとなく限定感が薄れて行きました。
どの産地の水晶にもレムリアンリッジはあるのですが、最初の産地のレムリアンシードに見られたような、一面おきにすりガラス状になっていいて、なんて話はどこかへ吹っ飛んでしまいました。
レムリアンシードというネームバリュー
その後、中国産、マダガスカル産ほか、レムリアンリッジと呼ばれるバーコード状の横線が入っていれば産地にお構いなくレムリアンシードの名がつくようになりました。
さすがにここまで来ると、ひっちゃかめっちゃかです。
厳密に区別しているお店もありますが、そうでないお店もあります。
レムリアンシードというネームバリューを使うと商売にも好都合という事情からか、レムリアンシードはその真偽に関わらず広く使われるようになってしまいました。
これでは、お客さんが混乱するのも無理はありませし、明らかに嘘と言わざるを得ないケースもあるでしょう。
現在では、レムリア人が逃れ、その精神性が根づいているとされる南米地域から採れたものをレムリアンシードと呼ぶことが一般的になっているようです。
レムリアンリッジは特別ではない
「レムリアンリッジこそがレムリアンシードの最大の特徴、レムリアンリッジを撫でながら瞑想すると、レムリアの記憶にアクセスできる」と言われています。
しかし、レムリアンリッジは科学的には水晶が成長するに伴って作られる模様と言われています。
その証拠として中国やマダガスカル他、多くの産地からレムリアンリッジをもつ水晶が産出されています。
日本で採れる水晶にもレムリアンリッジがあります。
「レムリアンリッジを撫でながら瞑想すると、レムリアの記憶にアクセスできる」という程度に留めて置き、レムリアンリッジこそがレムリアンシードの最大の特徴だ!なんて言い切らなければ、この点はさほど攻められずにすんだものをと思ってしまいます。
以上、「レムリアンシードは嘘」と疑われる理由を挙げてみました。
真偽を疑われる原因としては、伝説という不確実なものが元になっていること、そして、レムリアンシードという名前の価値を利用した商法がマイナスイメージを与えてしまっていることがわかりました。
しかし一方で、人々はレムリアンシーに魅了されつづけ、既に多くの人がレムリアンシードを手にして大切にしていることも事実です。
この現代、あまりに物質的で消費主義、商業主義に傾いています。
それを思うと、高い精神性や深い癒しの概念を思い起こすことが、時には必要なのかもしれません。
だとしたら、そのツールとしてレムリアンシードが役に立つという言い方はできるのかもしれいと思います。
次の項では、一度、スピリチュアルな観点にシフトし、レムリアンシードにまつわる神秘的なエピソードにフォーカスして、現代人にとってのレムリアンシードの意味を考えてみたいと思います。
レムリアンシードを持つとツインレイに会える?
ツインレイとは、魂の片割れとも言われるスピリチュアルな用語で、生まれるはるか前から絆を約束された運命の相手です。
世界のどこにいるかはわかりませんが、もし出会うことが出来たらより豊かな人生を送ることが出来ると言われています。
ツインレイとは
ツインレイは、前世では一つの魂だった存在が現世に転生する際に二つに分かれた片割れを指します。
魂の片割れは運命の人とも言われ、ツインレイ同士は特別な使命を持ち、互いに強く惹かれ合うとされ、もしツインレイと出会えば、自己成長や真の自己実現が促され、魂としての新たな目的や意味を見出すことができるとされています。
ツインレイはレムリアにルーツを持つ魂と言われています。
レムリア人は、今の私達のような個人個人としての意識はあまりなく、他人も自分のように感じていたと言います。
これは魂が繋がっているいわばツインレイの関係に近く、レムリア大陸には多くのツインレイが存在して、愛と平和の世界を守っていたそうです。
そしてレムリア文明が滅び、大陸がなくなったとき「ツインレイは引き離されながらも、その魂は生き続け転生を繰り返しながら現代によみがえると言われています。
ツインレイに出会う意味
ツインレイをルーツとする魂は、文明の滅亡という深い喪失の記憶を持っていて、転生のたびにその一生に記憶が転写され、悲しく過酷な経験をすると言います。
たとえば「愛する人を失った喪失感」や、「愛する相手を守れなかった絶望感」といった魂の記憶が、その人生の置かれた境遇の中で似たような体験をよみがえらせてしまうそうです。
現代においても、深い傷を抱えたツインレイをルーツとする人がいて、深い喪失感の記憶から、執着や依存、自己否定や無気力、といったネガティブな状況に陥ると言われています。
もしツインレイ同士が巡り合うことができれば、癒しが加速し、一人ではなしえなかった自己成長が促され、魂としての新たな目的や意味を見出すことができるとされています。
そして、レムリアの記憶を宿すレムリアンシードを手にすると、運命の相手、ツインレイに出会うことが出来ると言われています。
レムリアンシードの力を借りてツインレイと出会い、太古の記憶を癒すことが出来れば、そしてそんな人たちが増えれば、世の中はもう少し穏やかに平和になるかもしれません。
レムリアンシードは持ち主を選ぶ
石は人を選ぶ、というのは時々耳にする言葉です。
人も石も一種の波動を発しており、波動の相性が良ければ心地よく感じられます。
石の波動によっては合う人が限られるケースもあり、それが石が人を選ぶなんて言い方になることがあります。
これに対して、レムリアンシードの場合はさらに一歩踏み込んで、持ち主を選ぶと言われています。
ここで今一度レムリアンシードの伝説を思い起こしてみてください。
レムリアンシードは、レムリア文明滅亡の際に、レムリア人が自身の記憶を後世に伝えようと切なる願いを込めて記憶を閉じ込めた水晶です。
レムリアンシードは、後の世にこの水晶を手にし、レムリアの悲しい記憶と向き合い、魂の成長を促してくれる誰かに託されたものです。
これが本当ならば、レムリアンシードは、持ち主、使い手と巡り合ってこそ、その価値が発揮されるわけです。
以上がレムリアンシードが持ち主を選ぶと言われる所以です。
レムリアンシードとレムリア人の願い
レムリアをルーツにもつ魂の多くは、現代でも深い傷を抱えているとされています。
その魂がレムリアンシードと出会うことで、喪失の記憶と向き合い、自分と向き合う中で、過去を癒し本来の自分を取り戻していくと考えられています。
そして、その先にある次なる使命は魂の統合と言われています。
レムリア世界がそうであったように、魂全体の絆を深め、世の中に愛と平和のエネルギーを取り戻す、それがレムリア人の願いだそうです。
レムリア人が願いを叶える鍵となるレムリアンシードは、レムリアの魂をルーツに持つ者のもとへ迎えられ、次なる展開を待っているようです。
お話として聞く分にはいいけれど、こんな話、現代人の私たちにとってはとあまりにも突飛な夢物語です。
しなしながら、これほどに争いと破壊で荒んでしまった今の地球を思い心を痛める方も多いと思います。
もし、レムリアンシードに込められた太古の記憶を道しるべに、穏やかで調和のとれた世界を取り戻すことが出来たら、とそんな願いもありなのではないかと思えてきます。
レムリアンシードのバリエーション
では最後に、スピリチュアル的要素は少し横におき、巷にレムリアンシードとして流通している水晶のバリエーションをご紹介します。
いつものことながら、どんな石にも多様な個性があって素敵です。
まずは、産地から。
産地といってもおそらく間違いにはならないであろう、南アメリカに限定してまとめました。
<ブラジル・セラドカブラル産> 本家本元。最初の鉱床は水没したものの、その後、隣のポケットから新たに水晶が採れるようになりある程度の数が流通している。
<ブラジル・バイーア産> 産出量が多いと思われる。自然の単結晶以外に、ポリッシュされたスフィア、ポイントほか加工品も多い。数年前から出始めたレムリアンルーツもここ。
<ブラジル・ディアマンティーナ産> 赤く色づいたタイプのものが採れる。単結晶以外にクラスターも見受けられる。
<コロンビア産> 極めて透明道が高く照りツヤのよい最高品質の水晶ポイント。レムリアンリッジもくっきりしている。
次に色と形です。
<色> 無色(通常タイプ)、ピンク色(ピンクレムリアン)、ゴールデン系(ゴールデンレムリアン)、茶色(スモーキーレムリアン)、赤色(鉄分あるいはリチウム分が含まれ赤く色づいたストロベリーレムリアン)、赤いコーティング付き(レッドレムリアン)、さらには中にルチルを含むタイプなど実にさまざま。
<形> ほとんどが単結晶、なかにクラスター状のレアタイプもある。最近、レムリアンルーツといって、水晶ポイントの一部が剥離したような不定形のものが出てきていて大人気。
これだけのバリエーションがあると、どこまでが本物のレムリアンシードかよくわからなくなって来ますが、収集家の目で見ればその種類の多さに魅了されます。
スピリチュアルな意味から離れて、様々な色・形や産地による特徴を知るのも、レムリアンシードの名で流通する水晶の楽しみ方だと思います。
レムリアンルーツは、レムリア水晶が地下で成長するときに形成された根っこの部分らしい。沢山の水晶ポイントがこの根っこでつなぎ留められていたのが、地殻変動ではずれたとかなんとか、でも定かではない。
まとめ
古代レムリア人の知恵を秘めるとされるレムリアンシード。
その神秘的な歴史や由来にはロマンを感じる一方で、レムリアンシードは嘘なのではないかとする声もあります。
このブログに書いた通り、レムリアンシードを本物だと言い切れる確固たる証拠は乏しく、現時点ではあくまで想像の域を出ないと言えます。
しかし一方で、レムリア人がレムリアンシードに込めた知恵と平和への願いを思うと、レムリアの叡智で今の混乱の世に活かせるものならば、と願う人がいても決しておかしくはありません。
レムリアンシードは、共に瞑想するなど内観のツールとするもよし、コレクションしてバリエーションを楽しむもよしです。
もし、レムリアンシードを手にする機会があれば、あなたばどのように感じるでしょうか。
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