トルコ石の本物の見分け方は?トルコ石に似た石や良い石と体験談も紹介

天然石

トルコ石(ターコイズ)は古代エジプトやメソポタミアの時代から人々に愛され、またネイティブアメリカンにとっては神聖なお守りとして大切にされ、今もなおその人気は絶大です。

一方、トルコ石には模造品も多く、市場にたくさんの模造品が出回っています。

こちらのブログでは、どのような模造品があるのか、本物のトルコ石を見分けるには何に気を付ければよいのかを解説していきます。

天然石のなかには、トルコ石と同じように青~青緑色をした石がいくつかあり、知ってか知らずか、トルコ石と混同して扱われて来た経緯もありますので、この点も今一度区別してお伝えできればと思います。

また旅のお守りになるとも言われるトルコ石にはびっくりするような体験談もありますので、合わせてご紹介しますね。

本物のトルコ石の魅力を感じて頂ければ嬉しいです。

本物のトルコ石の見分け方

青~青緑色の美しいトルコ石ですが、模造品が多く出回っているのも事実です。

なぜ、模造品が多いのか、どんな模造品があり、どう見分ければいいのか、一つずつ解説していきます。

本物のトルコ石と模造品の見分け方

トルコ石の模造品には以下にあげたような種類があります。

見分け方と合わせてまとめてみました。

<染めトルコ石>
低品質のターコイズや他の鉱石(ハウライト、マグネサイト)を染色して、本物のターコイズに似せる方法。色が均一で不自然に鮮やかになることが多い.。

<練りトルコ石>
天然のトルコ石を粉末状にし、樹脂や接着剤と混ぜて再形成したもの。見た目は本物に近いが、質感が本物より滑らかなことが多い。安価。

<合成樹脂>
合成樹脂で自由に着色して作製、色合いは本物と見分けがつきにくい。安価。

見分けがつきにくいケースがありますが、一般的な目印としては、

  • 本物は多孔質でザラザラしていたり凹凸があることが多い、滑らかでガラス質の質感のものは疑った方がよい
  • 本物は密度が高く重さがありますが、偽物は軽すぎることが多い
  • 本物は手に取ったときに冷たく感じるが、プラスチック製の偽物はすぐに温まる
  • 安価

といったことがいえます。

トルコ石のわかりやすい見分け方は価格

先の項に書いたようにトルコ石には何通りかの模造品が存在しそれぞれに見分け方はありますが、共通して言えるのは値段が安いということです。

なんだかんだ、これが一番の目安になると思われます。

なかには、原石の美しい部分だけを贅沢に使った高品質のトルコ石のアクセサリーもあります。

この場合、質感が滑らか、色も均一で、きれいに仕上げた模造品と見分けがつきにくいことがありますが、価格がぐっと上がります。

本物のトルコ石は、ペンダントならは数万円以上しますし、丸玉をつないだブレスレットなら数万~10万円あるいはそれ以上というお値段になって来ます。

ですので、新品のアクセサリーが数千円程度で売られていた場合は模造品を疑った方が良さそうです。

トルコ石は現在は価格が高いと思っておくと間違いないです。

なお、一般に石は1kg○○円と重さで値段が決まるので、とても小さい石だと値段は抑えめとなります。

小さな小さなトルコ石のピアスならば数千円ということはあり得ます。

他の石を染色したトルコ石は、ハウライトターコイズ、マグネサイトターコイズと名前を明記している場合も多いので、名称を確認してから購入するといいよ

トルコ石にはなぜ模造品が多いのか

そもそもトルコ石にはなぜこれほど模造品が多いのでしょうか?

主な理由は、模造品を作りやすいこと、そしてアクセサリーなどとしての需要が高いことにあります。順番に解説していきます。

<模造品を作りやすい>
本物のトルコ石は多孔質なので、他の多孔質の石を青く染色するだけでトルコ石に似た風合いを出すことができる。またトルコ石は装飾品として加工する際にはスタビライズド処理といって樹脂コーティングによる強化を行うため、プラスチックで模造品を作ってもある程度似たものを作ることが出来てしまう。

<宝飾品としての需要>
トルコ石の歴史は古く、古代エジプトやメソポタミア、ペルシャなど古代にさかのぼる。ネイティブアメリカンはトルコ石を神聖な石としてお守りのように身に着けていた。長く宝飾品として愛されたあまりにも有名な石で現在でも人気が高い。

<原石の不足>
トルコ石は長く採掘されて来たため、新たな原石の供給が不足している。主な産地であったアメリカ西部の鉱山も軒並み閉山し、市場に流通する原石が減り、価格が高騰している。

トルコ石は模造品を作りやすく、長年多くの模造品が流通しています。

また宝飾品としての人気は高いのに、新たに採れる原石が減り続け市場価格が高騰しているという現状があります。

購入者に知識があれば、模造品をそれと知らずに入手してしまうことは防げますので、あまりご存知でないという方は、この機会にトルコ石についての知識を深めてみてください。

トルコ石に似た石

トルコ石は青~青緑色の美しい色合いに、ときどき茶色などのほかの鉱物が入り混ざった味わいのある石です。

同じような色合いでトルコ石に似た石がいくつか存在し、古代より高価なターコイズの代用品として使われてきたという歴史があります。

その石とは、

<アマゾナイト>
青緑色、もしくは青緑とベージュの縞模様、トルコ石ほどに青い色はない

<クリソコラ>
銅の副産物として採れる青緑色の美しい模様が魅力的

<ラリマー>
青色の地にところどころ独特な白の模様が入り、海にたとえられる、ドミニカ共和国のみ産出される稀少石

<スミソナイト>
鮮やかな青、青緑、緑ほかの色が存在。原石はボコボコと独特な結晶形をしているのでトルコ石とは似ていない、磨いたスミソナイトは模様によってはトルコ石に似る

<アラゴナイト>
青、紫、茶などさまざまな色が存在。青系アラゴナイトは石の風合いも含めトルコ石に似ている、安価

<アフリカンターコイズ>
トルコ石に酷似しているが別物、ジャスパーの一種でむしろ石英に近い

以上については、本物のトルコ石を見分ける上でも参考になりますので、知識として知っておくと役に立つと思います。

ただ、これらの石はトルコ石に似た別物とは言え、どの石もそれぞれにきちんとした名前を持った素晴らしい石です。

特にラリマーやスミソナイトは稀少石ですし、アマゾナイトは宝飾品としても人気があります。

良いトルコ石ってどんな石?

トルコ石(ターコイズ)は、緑から青緑、鮮やかな青と色合いの幅が広く、茶~黒の内包物や、マトリックスと呼ばれる独特の網目模様が入るものなど実に多彩です。

それぞれに個性はありますが、ここでは品質の良いとされるトルコ石の見方をご紹介します。

トルコ石の品質を決めるポイントは3つあります。

<色>
最も価値が高い色は、均一で濃いミディアムブルー、この色は「ロビンズエッグブルー」と呼ばれ、イランのニシャプール地区から産出されるものが有名、アメリカ西部のスリーピングビューティー鉱山から採れるトルコ石も色が濃く均一で高品質

<マトリックス>
トルコ石はマトリックス(母岩の残留物)を伴うことがあるが、マトリックスがない均一な色合いのものは「ソリッド・ストーン」と呼ばれ、最高品質とされている、一方で、マトリックスが美しく入っているものも好まれることあり

<カット>
トルコ石は一般的にカボションカット(ドーム型)で仕上げられ、カットが美しいほど、色や質感が引き立つ

<耐久性>
高品質のトルコ石は硬度が高く、耐久性に優れており、適切に扱えば何千年も美しさを保つことができる、ほとんどのトルコ石は強化が必要で、樹脂を浸透させるスタビライズド加工がなされる、加工をせずとも使用に耐えるトルコ石は非常に稀

最近ではトルコ石自体の流通が減って来ているため、良い石を見つけるのは難しくなってきていますが、もし出会えることがあれば是非手にしてみてください。

また、昔から人気のある石ですので、ひょっとしたら実家のタンスから綺麗なトルコ石のアクセサリーが出て来たなんてことがあるかもしれません。

トルコ石の不思議な体験談

トルコ石は旅のお守りになると言われている石です。

そんなトルコ石にはお守り的なニュアンスの体験談を聞くことがあります。

特に印象深かったものを一つご紹介します。

トルコ石のブレスを身に着けていつものようにバイクで通勤していた時のこと。

信号待ちをしていたら、パン!と音がしたのでふと視線を落とすと腕につけていたトルコ石にひびが入っていました。

なんてこと!と思っているうちに信号が赤から青に変わったのですが、トルコ石に気を取られた影響で一瞬アクセルを踏むのが遅れたそうです。

その瞬間に、大きな音がして自分が進入する予定だった交差点で車同士が衝突していました。

もし、トルコ石が割れなければ、石に気を取られることもなく交差点に入り事故に巻き込まれていたかもしれませんでした。

石の体験談をいろいろと耳にしますが、ここまで明らか話はそうそうないのではないでしょうか?

トルコ石は加工しないとほぼ使えない

良いトルコ石がどんな石かをご紹介したところで、高品質のトルコ石は硬度が高く、耐久性に優れていると説明しました。

しかしながら、そのようなトルコ石は大変稀で、流通しているほとんどのトルコ石は強度が低く人工的に処理をしないと使えません。

トルコ石の強度が低いのにはいくつかの理由があります。

  • 光学顕微鏡でも識別できないほどの微細な結晶が集合して出来ているため強度がない
  • 多孔質で粒子間に隙間がある、隙間には水分が吸収されてやすいが、環境要因で隙間の水分が蒸発して空洞が出来ると脆くなる(特にアメリカのトルコ石は多孔質なものが多い)
  • トルコ石や熱や光に敏感なため、自然界にあるだけで既に劣化が進んでいる

以上の理由から、ほとんどのトルコ石は原石そのままの状態では、加工はおろか運搬にすら絶えないほど脆い場合があります。

そこで石に樹脂を浸透させて強度を増すスタビライズド処理という加工をします。

スタビライズド処理さえすれば、元の美しい色合いはそのままに安心して使うことができるのです。

何らかの処理がなされた天然石は敬遠される傾向にありますが、トルコ石に施されるスタビライズド処理についてはむしろ必要な工程と言えるでしょう。

まとめ

トルコ石(ターコイズ)は古代エジプトから数千年もの間人々に愛され続けた石です。

宝飾品としての高い需要がある一方で、模造品を作りやすい、または需要に対して供給が少ないことから、トルコ石の偽物が多く流通しています。

こちらでは、どのような偽物があるのか、またどう見分ければよいのかをお伝えしましたので、購入の際のご参考になれば幸いです。

また、トルコ石はその化学的な特性からどうしても構造的に脆くなってしまいます。

そのために、樹脂を浸透させ強化するスタビライズド処理がなされ、そこではじめて運搬や加工が可能になります。

加工がいつも悪いわけではなく、トルコ石については必要な処理と考えてよいと思います。

トルコ石は旅のお守りとも言われています。

トルコ石は旅行や日々の交通のお守りにはもちろん、人生という旅を送る上での頼もしいパートナーとも言えるのではないでしょうか。

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